中古車も法定整備が必要!法定整備なしの意味や車検との違いも解説
中古車を購入したら、法定整備をして安全に走行できる状態を保つ必要があります。
中古車購入のときには広告や店頭に「法定整備なし」といった説明があって、中古車の中には法定整備が不要な車もあるのではないかと思った人もいるでしょう。
この記事では法定整備なしや、法定整備付きといった表示の意味と購入時に重要なポイントを解説します。
中古車も法定整備が必要
新車を購入したときと同様に、中古車でも法定整備が必要です。
法定整備は法律によって定められている車の所有者の義務です。不履行による罰則はありませんが、安全に運転するために必ず実施しましょう。
法定整備とは
法定整備とは国土交通省が定める日常点検と定期点検のうちで、定期点検を指すのが一般的です。
日常点検はエンジンのかかり具合やランプの点灯状況などを確認する作業で、所有者が日々実施することが求められています。
一方、定期点検は車種や用途によって内容が詳しく定められている点検で、ディーラーや自動車整備工場などに依頼して実施してもらいます。
ブレーキやエンジンなどの状態を確認し、不具合があったら整備や部品の交換が必要です。
法定整備の頻度と内容
法定整備の頻度は、新車か中古車かによって違いはありません。
普通車や軽自動車の自家用車であれば12ヶ月点検(26項目)と24ヶ月点検(56項目)が義務付けられています。
トラックの場合には6ヶ月点検(22項目)と12ヶ月点検(82項目)といったように、車の種類や用途によって必要な頻度・内容は異なります。
12ヶ月点検のタイミングは、前回の点検からぴったり12ヶ月でなければならないわけではありません。
前後1ヶ月程度を目安に点検をして、安全性を確認すれば問題ありません。
車検との違い
車検のときにも整備をしますが、法定整備とは目的が異なります。
車検では自動車の保安基準を満たすことを確認する検査です。基準を満たさなかった場合には整備をして、検査に合格しなければ公道を走行することができません。
期日も定められていて、車検満了日前までに整備を終えて車検に合格する必要があります。
法定整備は車検を受けて次の車検に至るまでの期間も、安全に運転できるようにするための点検整備です。
車検のタイミングで保安基準を満たしていたとしても、1年後には基準を満たさなくなって走行が不安定になる場合もあります。
12ヶ月点検などの定期点検をして整備することにより、安全性を保つのが法定整備の目的です。
中古車購入でよくある法定整備付き・法定整備なし・法定整備別とは
中古車購入では「法定整備なし」という表現が広告でよく表示されています。
中古車の法定整備が必要なのかが疑問になる原因になっている表現ですが、どのような意味なのでしょうか。
法定整備付き・法定整備別という表現もあるので、それぞれの意味を解説します。
法定整備付き
法定整備付きの中古車は車両価格に法定整備の費用が含まれていて、点検と整備を実施した後で納品を受けられます。
法定整備費用が車両価格に上乗せされているので価格は高めですが、安全に乗れる中古車を購入できます。
また、法定整備が正しく実施されてきた車はメーカー保証の対象から外れないのもメリットです。
きちんと整備した中古車を納品しようという意識がはっきりしているので、信頼できる販売店と考えられるでしょう。
法定整備なし
法定整備なしの中古車は販売店が法定整備を実施しないと明言している車です。
現状渡しという表現もよく用いられています。法定整備をしないので車両価格が安いですが、整備状態は詳しく確認してみなければわかりません。
新古車で整備不要な状況という場合もありますが、整備コストが大きいのが理由で法定整備なしとしている場合もあるので注意しましょう。
法定整備なしは、安い中古車が欲しい人に納得してもらいたいという気持ちを持って営業している販売店や、故障車や事故車を取り扱っている販売店でよく見かけられます。
法定整備別
法定整備別の中古車は別料金で法定整備を依頼できるのが特徴です。
車両価格には法定整備の費用が含まれていないので安くなっています。原則として納車までに法定整備をするけれど、費用は購入者が持つというのが一般的です。
希望すれば法定整備を販売店に依頼せず、別の業者で実施できる場合もあります。
法定整備の内容は交渉できるので、ニーズに合わせて柔軟に対応したいという販売店がよく法定整備別にしています。
まとめ
中古車も種類や用途によって、法律で定められた法定整備を定期的に実施することが必要です。
中古車では購入時の法定整備の有無が個々に異なっています。整備した上で納車して欲しいかどうかをよく考えて、希望の対応を受けられる中古車や販売店を選ぶのが大切です。
購入後は定期的な法定整備が必要なので、販売店に相談して計画を立てるのもおすすめです。
法定整備をしっかりとおこなって、購入した車をずっと安全に乗れるようにしましょう。